業界のイメージだけで入ってみると
次に見つけた会社は広告代理店。
業種にも惹かれたが、面接で私が言った希望の仕事は無謀にも「秘書」。
もちろん秘書など経験もなければ資格もない。
ただのあこがれであった。
しかし若さと言うのは強力だ。
そう言って合格したのである。
広告代理店と言っても10人ぐらいの小さな会社で、理系の雑誌に精密機械関係の会社の広告を載せる仕事をしてるらしかった。
で、私にまかされた仕事は作った版下かなにかをいろいろな会社に持っていくというもの。朝、会社に出社したら、あとはひたすら都内を会社の場所を調べて歩きまわるのだ。
あと社長の身の回りの雑用。
これはつまらなかった。
何の夢ももてなかった。
広告のデザインができるようになりたいわけでもなく、精密機械に興味があったわけでもなく、ただ、広告代理店=かっこいい というイメージで入った私が悪かったのだけど。
結局、この会社は前の会社の半分ぐらいで辞めた。
会社の人はいい人で、温泉旅行に連れて行ってくれたり、靴を買ってくれたりしたが未練はなかった。