24時間勤務でバテバテに
若さと勢いで編集プロダクションに入社したが、任された仕事は大手旅行会社の発行する海外のガイドブックを改訂するというものだった。
ガイドブックが発行されて時が過ぎると、様々な数字を始め、いろいろなデータが古くなるのでそれを新しくしていくのだ。
今みたいにPCで検索すれば何でも知ることができる、なんてことはなかったので、大使館に足を運んで話しを聞いたり、海外の資料が集まっている機関に行って調べたりするのだ。
全くのアナログ。
時代は進んだものだ。
そんなにつまらない仕事ではなかったが、ただただ会社の24時間勤務みたいな働き方に疲れていった。
徹夜は当たり前、土日も出勤が多く、会社の仕事先であるスポーツジムからタダ券をもらって行った、なんて言おうものなら白い目で見られた。
会社は10人弱で社長以外は20代だったが、みんな不思議と不満は言わなかった。
みんないい人だった。
しかし私は半年ももたなかった。
辞めるきっかけは覚えてないが、何となく最初から無理と思っていたのかもしれない。
不安もなかった。
まだ仕事は捜せばすぐにあると思っていた。