そして退職することに
念願だった旅行カウンターは1年で転属に。
今度は旅行用品を売る店舗での販売だった。
場所は銀座4丁目。綺麗なビルの7階だった。
希望したならばいい職場なのだろうけど、なんせ前の部署で使えなくてまわされた、と重々承知していたのでおもしろくない。
7,8人いた同僚も1年目のような温厚な人ばかりでなく、かなり個性的な人も。
「同僚とうまくやろう」という気持ちの足りなかった私はかなり浮いていたと思う。
中年以降、パートをしてきた職場とは比べものにはならないくらい待遇もよかったし、仕事もラクだった。
しかし、他の部署で使い物にならない社員がそこの店舗にまわされて、やがては辞めていくというイメージが社内にはあり、わたしももろにそれを信じていた。
すごく賢くて性格もいい2人の新入社員が不本意ながらも頑張っていたというのに、私は踏ん張ろうという気持ちもなかった。
とうとう1年後会社を辞めてしまう。
3年ぐらいで、女子社員が結婚するでもなく、会社に不満があるわけでもなくどんどん辞めてしまう環境も影響していたと思う。
迷いはなかった。
まだ23歳ぐらいだったので、もっと大きな世界をみてみたい、とただそんな気がしたのだ。
会社に入ったなら嫌なことがあって当然だから死ぬ寸前まで我慢しなさいとか
まわりに振り回されるなとか
はっきりした夢とかやりたいことがないのに辞めたらダメとか、
やりたいことの準備や勉強ができていないのにただ辞めてもろくなことにはならない、
など入社前に誰も言ってくれなかった。
しかしこれらは事実。
親も別に強く反対しなかった。
温室のような最初の会社を辞めて、確かにいろいろな世界を見ることはできたけど、
それば迷走というか、、、
そんな20代であった。
たまに最初の会社で10年ぐらい働いていっぱいお金貯めて、その会社に関連した男性と結婚したらどんな人生だったろうと思うけど、
やっぱり私の性格と根性では無理だったような気がする。